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2007年11月15日 (木)

ANNIVERSARY

Anniversary


この「ANNIVERSARY」は今月連載最終回の『刃-JIN』に掲載します。
掲載内容とダブるのはよくないので、ココでは違う視点で話をさせていただきます。
ココと『刃-JIN』両方の内容を照らし合わせて読んでいただくと
さらに興味深い内容になると思います。

この作品を書いた筆は、超細微光鋒の超長鋒羊毛筆。
爪楊枝5本ほどの太さと長さで当時10万円。
久保田号の「寿昌」よりも細微でシルクのように艶やかな光沢で
「この毛質の筆はこの1本しか作れなかった」と言われました。
墨は濃墨では最高級の当時10丁型3万円の玄林堂の「九十九寿」。
それを富山の霊水と端渓硯で丁寧に摩り込みました。
紙は紅星牌棉料単宣。

さて、専門家でなければわからないようなことをつらつらと書いてしまいましたが、
今回はこの作品と聴覚についての考察がメインです。

この作品は18年前に松任谷由実さんの「ANNIVERSARY」を聴いて聴いて
聴きまくりながら書きました。といっても書く為に聴いたのではなく、
聴いていたら思わず書いてしまっていました。
思わずというところがいかにも音に導かれた感覚かもしれません。
音楽とは、空気という目には見えない微風が鼓膜を振わせ、
それが身体に染み入って心の琴線に触れる。
その琴線という弦をやさしく爪弾くように筆が紙に触れながら、
この作品は突如眼前に現れました。

たまたま「ひとり残されてもあなたをおもってる」というフレーズだけを
書いたけれど、その言葉だけではなく、イントロからエンディングまでの
存在感が紙面に現れた一枚といってもいいかもしれません。

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コメント

この作品において、ストーリーやシチュエーションに対する意識は全くといっていいほどありませんでした。

「この曲のメロディーやサウンドを筆で奏でたい」という想いが、偶然この歌詞に乗って現れたという感じですね。

投稿: 大衛 | 2007年11月16日 (金) 03時00分

こういう心の琴線に触れる作品については、
どう表現していいか言葉がなかなか出てきません。

四角い部屋の中に小さくなって、それでも可憐な表情を湛えながらあなたを想ってそこにいる。
そんな感じでしょうか。

投稿: みよこ | 2007年11月15日 (木) 17時46分

感動を自然に素直に表現できることって、素敵なことだなぁと思いました
(そんな時、私はなぜか体調が悪くなります…)。

私もそのような感性を身につけられるように、普段の生活の中で、たくさんの美しいもの、感動できることに出会っていきたいです。

投稿: rie | 2007年11月15日 (木) 11時09分

書道の専門家…。先生とは違った角度からの専門家にとっても、お勉強になるブログですね…。このようなお話を沢山お聞かせ頂ける事に感謝致しますm(__)m私も専門家になるべく、精進したいと思います!

投稿: タンポポ | 2007年11月15日 (木) 08時44分

 この作品を初めて拝見したときの衝撃は
今でも忘れられません。

 その衝撃を言葉で表現すると安っぽくなりそうで
今も、ただ何も言わず見つめるだけで精一杯です。

 沢山の、こととき、この瞬間、が詰まった作品だったんですね。

投稿: 伊藤 | 2007年11月15日 (木) 08時27分

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