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2007年12月22日 (土)

不滅

Photo僕が所属する(財)独立書人団の富山支部長
黒田光岳先生が逝去されました。


去年の冬に肺癌、今年の夏に脳梗塞、秋には吐血(原因は未確認)、
入退院を繰り返され、しかしすべて克服されて、先日は元気な姿で
会合に顔を出されていたのですが…


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黒田先生は、日展入選10回以上の日展会友、
今年も独立からは唯一の入選者でした。


黒田先生の作品は、余白の白が輝くように美しく、その境地に至るには
尋常ではない線の修練と、強靭な精神性と、瑞々しい感性が必至です。


3年前に個展を開催された際のパーティーの名札は、
弟子ではないのに僕に全部依頼されました。
黒田先生の僕に対する口癖は「お前は器用過ぎる。」
それは、褒め言葉でもあり、戒めの言葉でもあることはわかっています。


Humetsu黒田先生は、僕が独立展に「不滅」を出品した際の審査員の1人で、
この作品が独立賞候補の最後の2点に満票で残ったにもかかわらず、
「これまで若いうちに大きな賞を受賞した者は、そのあと潰れる
ジンクスがあるから、森君には与えずにおこう。」と 提案され、
その話を聞いた時は「貰えるものなら欲しかった」と思いましたが、
僕が独立賞をもらって天狗になったり、逆に燃え尽き症候群になったり
しないように、長い目で育てようという配慮があったからなんですね。


その後、前年からの二年連続の特選、翌年に大作部門初出品で入選、
その数年後に「心拳」で準会員賞で会員に昇格と、スピード昇格に至ったのは、
独立賞をもらえなかったことがバネになったのは確かなことです。


また、高校の先輩でもあり、学生時代はバスケとボクシングをされていた
スポーツマンで、黒田先生との雑談の中から作品を書くヒントをたくさん得てきました。


Shinkenこの独立書展準会員賞を受賞した「心拳」は、
「力任せに打つパンチより、当たった瞬間に引くパンチの方が効く。」
という言葉をヒントに、その感覚を筆致に生かして書いたものです。


僕が25歳まで師事していた米谷大洋先生のもとを離れた時も、
「お前は米谷君のところを出ると思った。でも俺の門下になるとは
思っていない。ひとりでやるのがお前らしい。」と、書道界では異端な
スタイルを逆に応援してくださり、地元のテレビに出演した際も、
先輩としての熱い応援コメントを快く引き受けてくださいました。


ひとりでやるということは、技術が劣り、自己満足、自己陶酔に陥る
危険性を孕み、嘲笑の的になりかねません。
それを着かず離れず、厳しい眼で見守ってくださっていたのが、黒田先生でした。


もう黒田先生の言葉を聞くことはできませんが、黒田光岳という偉大な先輩に
この世で出逢えたことを大切にして、これからも精進していきたいと思います。

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