『金輪際』のマーチ
昨日のブログのご質問にお答えして出血大サービスざますわよ、奥さん。
実はこの「金輪際」は、昨年連載していた『刃-JIN』に掲載した作品でした。

今回は特別にその解説を載っけちゃいますわよ、奥さん。
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『金輪際』とは、人間の住む大地の地表と地底との境界線を表す仏教用語。
それが転じて物事の極限や究極を表すようになり、「徹底的」「断じて」と
いう強い意思を意味する言葉になったそうだ。
時代劇雑誌『刃-JIN』的にも相応しい言葉に違いない。
しかし、森大衛的には昼メロなどにありそうな台詞、
「あなたとは金輪際会わないわ!」のように、当人には深刻でありながら、
客観的には滑稽にみえるシーンが浮かび、心がときめいて無性に書きたくて
書きたくてたまらなくなった。
そんなことに心がときめき、それが理由で書きたくなるなどふざけた話だが、
そうなのだから仕方がない。
久方の恋のように「金輪際」にときめいてしまった森大衛は、「金輪際」が
口癖になり、しまいには「必殺!金輪際のマーチ」というくだらない
オリジナルのソングを「金輪際!金輪際!」と口ずさみ、生徒達に呆れられた。
だが、いざ書き始めると、気が遠くなるほどこの言葉の魔力に取り憑かれて
しまった。何百枚書いたか記憶が定かではない。
書風は、顔真卿や橘逸勢あたりの重厚で肉厚な筆致と造形が浮き上がり、
体の芯から熱が沸き、筋肉の内側から汗が絞り出る感覚を味わった。
森大衛のふざけた思考と、生真面目な右手の落差には我ながら着いて行けない。
気が付くと、墨が毛氈(下敷き)を通り過ぎて床にまで染み出ていた。
これまでも肉厚な作品は結構書いてきたが、墨が床に染みたのは初めてだった。
書を書くという行為は、地表と地底の境界線で繰り広げられ、
重力と対峙する『金輪際』という言葉に相応しい表現行為だといえよう。
人が真剣な姿は、それが真剣であればあるほど滑稽に見えることがある。
しかし、だからこそそれが大きな感激や感動に導かれるともいえる。
※顔真卿(がんしんけい)唐の四大家
※橘逸勢(たちばなのはやなり)日本の三筆
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コメント
金輪際ですか…
記事を読んでいたらゲシュタルト崩壊…でしたっけ?に陥りました。
言葉の力って凄いんですね。
改めて、実感しましたm(_ _)m
「必殺!金輪際のマーチ」、聞いてみたいです(笑)
投稿 ゆか | 2008年5月16日 (金) 19時44分
おっしゃるように仏教用語としてではなく「あなたとは金輪際会わないわ!」的な迫力を感じましたのでお伺いしてみたくなりました。
私も聴いてみたかったです「必殺!金輪際のマーチ」(笑)
ご解説ありがとうございました。
投稿 大阪の母 | 2008年5月16日 (金) 20時23分
本日、拝見してまいりました。
口に出し、つぶやいてみた「金輪際」
仏教の言葉だろうとは感じていましたが、あらためて、つきつけられると
はて、、、
何か不思議な感覚、空間
本来の意味を知りたくて、辞書をひいた所だったのよ
奥様、食事の支度手につかず
勉強になりました
投稿 わんだらー | 2008年5月16日 (金) 21時54分
なぜ 「金輪際」 なんだろう



書で この言葉を観たことがなかったことと
字の迫力に 驚きました
先日の「陣」のときにも 顔真卿 をイメージしましたが
臨書するだけでもたいへんなのに
大筆で この墨量で 一気に書き上げるなんて やはりすごい
最後の一画が スキです
投稿 U | 2008年5月17日 (土) 01時05分
こちらで写真を見る前に会場に伺いましたが、中央に立って見回しただけで
森先生の作品はすぐにわかりました。
いつも感じることですが、森先生の作品は他の先生方とは放つオーラが違いますね。
胸にズキュンとくるのが不思議です。
投稿 keico | 2008年5月21日 (水) 12時34分
先日、「金輪際」に一目惚れしたせいか、先生に「大丈夫!」と色紙を書いていただく夢を見ました。(失礼m(_ _)m)
投稿 富山の主婦 | 2008年5月22日 (木) 18時14分
一瞬「大往生」かと思いましたよ。
投稿 大衛 | 2008年5月22日 (木) 18時16分