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2008年7月25日 (金)

「龍翔鳳舞」

淡墨で染めた300m分の布を作品の表装に使用した第1号作は、この「龍翔鳳舞」。


Ryusyo
※読みは右から


ここ数年の熱情的な作風とは趣きを変え、
大きなスケールで幻想的な世界を表現したいと思った。

そして、それは日本の城に飾ろうとも西洋の宮殿に飾ろうとも
決して見劣りしないものにしたいと思った。

そのためには筆の展開と紙面の空間処理、そしてそれを囲む
表装が呼応しなければならない。

どんな面持ちで紙に向かったかは憶えていない。
しかし、「龍が翔けて、鳳が舞う」かのごとく筆を馳せ、
この作品はそれぞれ一気に1枚で仕上がった。
もう一度書くとなると、この空気感はもう出ないと思う。
書き始めて最後の画に至った時の高揚感と筆触の心地よさは
今でも憶えている。


この作品は93年春に開催された「第2回日本象書(しょうしょ)会展」
に出品し<大賞>を受賞した。まだ2回目の展覧会でもあり、
第1回の大賞受賞者は、発起人の柴山抱海先生本人であり、
この展覧会は書道界にありがちなキャリアの序列や貢献度で選ばれるものと、
お付き合いで出品したつもりだったが、柴山先生に「君に決まったよ」と
伝えられ驚いた。


その後、詳しくは忘れてしまったが、銀座のセントラル美術館で開催される
展覧会事務局からの要望でこの作品を出品したところ<世界芸術協議会大賞>を
受賞したとの通知と楯が届いた。


しかし、実はこの時の森大衛は、すでにこの個展の作品制作に意識が飛び、
受賞の喜びや感慨深さはさほど感じていなかった。


過去のものが評価されるほど、次のものへのプレッシャーは大きくなる。
しかし、その評価とプレッシャーが大きな原動力にもなる。


つづく

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コメント

いつどんな時に拝見しても素敵な作品ですheart04
私はなぜか、いつも人生で辛い時にこの作品に出会いますsign03そして、勇気と優しさを胸一杯にもらいます。

ただ今、ヘルニアと坐骨神経痛で病院のベッドの上weep痛くて痛くて、辛いばっかりでしたが、先生の作品に会えたので、回復する日も近い近いと思いますscissors

ありがとうございましたapple

投稿: 林檎 | 2013年5月26日 (日) 20時03分

始めて先生の字を拝見したのはやはりいいともなのですが、涙ながら「おかん、こんな達筆な人初めて見た」と言いました。
筆耕の仕事を8年以上しつつも書写で止まってる自分の存在が中途半端だと思っていた
私には衝撃でした。

青森はいいとも17時なのでお昼にやってたら拝見してなかったと思うと自分字を一から見直そうと悩む今の私はいないわけで、ものすごく光栄です。

投稿: 大工の藤原さん | 2013年5月25日 (土) 13時56分

本当に素敵な作品ですね。 
初めてテレビで「舞」を観た時、恋してしまいました。 
素晴らしい作品を生み出す先生の右手は、魔法の手です。 
個展のようなものではなく個展を楽しみに待っています。 

投稿: 杏 | 2008年8月 5日 (火) 23時25分

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